【REBELS.69】カード発表会見レポート

レポート

公開日:2020/10/27

取材 安村発

2020年12月6日(日)東京・後楽園ホールで開催される『REBELS.69』の記者会見が10月26日(月)都内にて行われ、 BLACKルールのみの主要対戦カードが発表された。
今大会は昼夜に二部制となり昼の部の『REBELS.68』は全試合ヒジ打ち有効のREDルール、夜の部の『REBELS.69』は全試合ヒジ打ち禁止のBLACKルールとなる。





■63.0kg契約 3分3R・延長1R BLACKルール
バズーカ巧樹(菅原道場)vs大谷翔司(スクランブル渋谷)



 バズーカは今年2月の無法島GPでは決勝戦に進出するも西岡蓮太に判定負けを喫し準優勝。その後、8月のREBELS-BLACK 63kg級タイトルマッチで王者・丹羽圭介に挑戦し判定勝ちでタイトル奪取した。対する大谷は8月のINNOVATIONライト級王座決定戦を制しベルトを獲得。ここ8戦は無敗(5勝3分)の好成績を収めていることで、バズーカの相手として抜擢されたという。会見でのフェイストゥフェイスでは、バズーカが睨みつける場面があり、緊張感溢れるムードとなった。

 会見で意気込みを聞かれた大谷は「若手からベテランまでいい選手が揃っているREBELS 63kg級で、いきなりチャンピオンとやらせてもらえるので、力を出し切れば普通に勝てる相手だと思います。普通に勝って、この階級をさらに面白くしてやろうと思います」と自信を見せる。

 バズーカの印象を聞かれると、陸上自衛隊出身の大谷は「僕は元々自衛隊にいて、本物のバズーカを目の前で何発も見ていたけれど、(バズーカ巧樹は)バズーカほどの一発はない。どちらかと言えば不発の試合が多くて、この際“不発弾巧樹”に改名した方がいいと思います」と挑発コメント。試合のイメージについては「対策はこれから練っていきますが、最初から倒しに行くわけではなく最終的に自分がリングに立っていればいいかな」とした。

 一方、バズーカは前回の丹羽戦については「前回の試合はダウンを取れなくて全然ダメダメでしたが、普通にやって普通に勝つつもりだったので計画通り」という。大谷から挑発コメントが出ると。「12月までに火薬の補給に集中します」「彼がどこの誰かは知らないのですが、とりあえずほざいておけばいい」とイラつきムード全開。最後に「フェイストゥフェイスでは気合いが感じられなかったので、しっかりリングで感じさせてくれよという感じです」とした。

■73.5kg契約 3分3R・延長1R BLACKルール
T-98(クロスポイント吉祥寺)vs松倉信太郎(TRY HARD GYM)



 打倒ムエタイをテーマに掲げ、70kg級の日本トップ戦線で活躍してきたT-98は、2017年3月大会以来のREBELS参戦。対する松倉は2009年に17歳でK-1甲子園70kg級を制覇。K-1・Krushを主戦場にキャリアを重ね、Krush YOUTH GP 2012でも70kg王者に輝き、REBELS初参戦。今年8月のRIZINでKO勝利、9月にはWPMF世界スーパーミドル級タイトルマッチで勝利し、プロで初戴冠を果たした。

 宮田Pは「T-98選手は今年もうひと試合をしたいということで、3年9ヶ月ぶりのREBELS参戦となりました。T-98選手はヒジありルールの試合を得意としていますが、この試合ではあえてBLACKルールにすることでT-98選手ははじけるんじゃないか、いい試合になるんじゃないかと思って決定となりました」とカード決定の経緯を説明した。

 松倉は「REBELS初参戦ですが、以前にオファーをいただいたことがあり、前から出てみたいと思っていました。元々、クロスポイント吉祥寺さんには練習でお世話になっていたこともありましたし、宮田さんも昔からお世話になっていて、色々とタイミングが重なって今がそういう時だと思うと個人的には嬉しく思います」と試合が待ち遠しい様子。

「9月に世界のベルトを獲って、これからはチャンピオンクラスの選手を一人一人倒していくことが僕のやりたいこと。T-98選手は日本トップクラスの知名度があるので、素直に対戦が決まって嬉しいですし、ここはしっかり存在感を示すことが僕の仕事だと思います。間違いなく面白い試合になると思います」と意気込みを語る。そして「よくわからない選手とやっても何も変わらないので、たくさんいるチャンピオン同士が潰し合って変えていきたい」とチャンピオン対決を制して強さを証明していきたいとも話す。

 T-98については「一緒に練習もしたこともあって、知らない選手ではありません。身体が強くてキャリアもある選手。経験値が違うので試合で何かあれば対処してくるでしょうし、ヒジがないのがむしろ得意な印象があります」といい、「噛み合う試合になって激しい試合になる」と予想する。

 今後については「僕は75kgの階級を作りたいと思っていて、その中心になるのは僕。70kg以上でどうしようと悩んでいる選手はたくさんいると思います。そういうふうに迷っている人がヘビー級で行っても海外の選手に勝てません。そこで僕が求心力のある選手になっていかないといけないんので、次の試合では勝ち負けはもちろん内容にもこだわっていきたい」とした。

 対するT-98は「REBELSさんからずっとオファーがなく、次の試合がまた面白くない試合だったら呼ばれなくなるので、間違いなく面白い試合になると思います」とコメント。松倉については「いつかやるかもしれないと思っていたけど、このタイミングでくる?と思いました。SNSでつながっていて、いつも「いいね!」を押してくれるいい子(笑)。この前チャンピオンになって波に乗ってくるので勢いがあるところを注意する」と警戒するが、「チャンピオンになっての初戦が僕だと厳しいと思うので、厳しさを教えてあげようと思います」と自信を見せた。

 ヒジ禁止ルールは今年1月にも経験しており、「試合でやることを変えるだけなのでルールに関しては何もありません」と問題ない様子。また松倉がSNSで「ボブ・サップとやりたい」とアピールしていたことを受け、「僕もやりたいので挑戦者決定戦ということで」と提案し、宮田充新プロデューサーを困らせていた。

 また今後については「自分の適正体重は70kgですが、ミドル級でもやってきて純粋に大きな相手とやれるぐらい僕もフィジカルが強い。あんまり外国人が呼ばれない状況なので日本人対決の話があれば階級幅も広げていきたい。ヒジなしルールに関しても別に気にしていません」とした。

■63.0kg契約 3分3R・延長1R BLACKルール
丹羽圭介(TEAM二ワールド)vs耀織(よしき/Y's glow)



 丹羽は今年8月のREBELS-BLACK 63kg級タイトルマッチでバズーカ巧樹を相手に初防衛戦に臨むも判定負けを喫し、今回が再起戦。対する耀織は12戦5勝(1KO)5敗2分。「耀織選手にとってはチャレンジマッチ。丹羽選手は耀織選手の倍以上のキャリアがあって、タイトルを失ったもののここが踏ん張りどころ。しっかり白星を挙げて来年また頑張ってほしいファイターです。耀織選手が丹羽選手をどこまで追い詰めることができるかがテーマだと思います」(宮田P)。

 これを受けて耀織は「僕はチャレンジとは思っていません。1年ぐらい試合をしていませんが、REBELSに出ていい試合ができていないので俺らしい試合をしたい。あまりKOしたことがないので頑張って倒します」という。

 前戦となった昨年11月に鈴木千裕戦(2RKO負け)については「あの試合は正直なめていた部分がありました。与座選手との対戦でもキックをなめんなと思っていたら、なめていたのは自分でした」と連敗したことに反省の弁。今回の試合に向けては「今回は自分らしくできればいいかなと思います。楽しく試合ができた時は自分らしい試合になります。リングで遊べた時の自分が一番強いとき。しっかり遊んでしっかり倒していきたい」とした。

 また、コロナの自粛期間の練習状況について聞かれると「遊んでばっかりでした(苦笑)。来週から頑張ります」と本気か冗談かわからないコメント。丹羽の印象については「めちゃくちゃ打たれ強いのかな? あとテーピングをいっぱい貼っていて、それがないと動けないのかなと思うので、試合中に剥がしちゃおうかなと思います」と不敵な笑み。「プロデューサーも代わってREBELSのステージで自分のファイトスタイルを出していきたい。昼に弟の響波が試合(=REBELS-RED 53.5㎏級王座決定リーグ戦)をして間違いなくベルトを獲ってくれると思うので、僕も負けないようにベルトを獲りにいきたい。こんなところでつまづいていられない」とした。

 一方、丹羽は「ここ1年色々とありました。3連敗してベルトを失ったことと、コロナが来てなかなかうまく練習ができず、大変な状況が続き、地を這うような気持ちになりましたが、ここで最後を締めくくってしっかりと終わりたい。社会に必要とされる格闘技を目指していきたいので、自分がやれることは大変な時期でも自分を信じて、周りを信じて、そこに立ち向かう姿を体現していく。そこに負けないこと、逃げ出さないこと、信じることをしっかり体現して、自分に期待しながら、そういうリングを体現していけたら。宮田さんがプロデューサーに就任されて新しい流れになっていくREBELS、KNOCK OUTですが、僕自身も新しい丹羽圭介を体現したいので変化を恐れずにやっていきたい。前回は考えすぎた部分があったので、今回のテーマは“狂う”」と静かに闘志を燃やす。

 バズーカ戦については「気合いを入れないといけないところで気負いすぎました。自分の中でどう引き出しを出そうかと考えすぎて、1R、2Rと出せない自分がいました。3R目にやっと覚悟が決まって行ったら時すでに遅しで、倒し切れずに判定になったので、もう考えすぎない、“狂う”だけです」と反省しきり。

 耀織の印象については「来週から練習すると言っているが、そう甘いものではない。9分間は生きるか死ぬかだけの戦いであり、自分がきつい状況の中で全てが出ます。その9分間を味わってもらおうと思います」とした。

 耀織戦後のストーリーについては「奪われたものは奪い返す。一戦だけでも見たいと思われるような挑戦、カードを組んでもらうか、明らかにベルトを獲りに行っているストーリーが見える戦いをするかのどちらか。今回それを示すために、狼煙を上げる戦いになると思います」とベルト奪還に向けての意気込みを示した。

■57.5kg契約 3分3R・延長1R BLACKルール
龍聖(TRY HARD GYM)vs光太郎ZLS(チームゼロス)



 龍聖はプロ5戦5勝5KOの19歳の注目株。会見に同席した宮田充Pは「先日TRY HARD GYMさんにご挨拶に行き、こんな選手が出てきていたんだと。これまで格上の選手を相手に全てKO勝ちしていて、今回も非常に楽しみです。今後、間違いなく上がっていく、2021年も飛躍が期待されるファイターの一人だと思います」と期待のコメント。対する光太郎は19戦12勝(5KO)7敗の戦績を持ち、聖域統一フェザー級タイトル獲得歴がある。REBELS初参戦。

 会見に出席した龍聖は「今年最後だと思いますが、来年の目標は2つあるのでそれをしっかり達成できるように確実にKOで倒すので観に来てください」と自信満々のコメント。

 今回BLACKルール2戦目となり、「僕はヒジありでも両方できるのですが、ヒジありでもあまりヒジを出していないのでヒジなしの方が自分の良さが光るし、やっていても楽しい。今の格闘技界はそっちが旬だと思うのでヒジなし路線でいきたい」という。練習で強化していることについては「特にないのでいつも通りの練習で何でも倒せます」とも。

 宮田Pから期待の言葉を掛けられたことについては「HIROYAさん、大雅さんといったTRY HARD GYMの先輩がみんな、宮田さんにベルトを巻いてもらっていた姿を自分は観客席から見ていたので、次は俺の番。来年はKNOCK OUTの黒いベルトが欲しい」とベルト奪取を目標に掲げている。

 対戦する光太郎については「映像はちょっと見ました。印象は……名前がダサいし、弱いなと思いました(笑)。ベルトを持っているけど、どこのだよ?という感じ。自分はKO以外求められていないので、倒して勝つだけ」とKO以外は考えられないとした。

■77.0kg契約 3分3R・延長1R BLACKルール
吉野友規(STURGIS新宿)vs小泉竜(池袋BLUE DOG GYM)



 吉野は5戦5勝(4KO)無敗。前戦となった9月の竜矢戦では判定勝ちしたが、それまでの全試合はKO決着で終わらせている。対する小泉は11戦7勝(3KO)3敗1分の戦績を持ち、昨年6月には所属ジム主催興行のBFC初代ミドル級王座を獲得した。今回がREBELS初参戦。

 普段ミドル級を主戦場にしている小泉は階級を上げての一戦となり(通常は80kgとのこと)、「普段は練習していないので体重が増え気味で今までの最重量契約体重は73.5kg契約でした。しっかり身体作りをして77kgでも通用する身体に仕上げていきたい」と意気込みを語る。

 吉野の印象については「ちゃんと映像は見ていませんが、全勝でKO率は高くてパワーもある選手なので気をつけて対策をしていきます」といい「倒し合いのできる試合をしたい」と打ち合い上等の構え。

 しかし、REBELS初参戦でアピールしたいことを聞かれると「特にはありません……。できればあまり目立ちたくないのでセールスポイントもないです。(倒すと目立つことになるが?)そう言われると倒すことも悩んでしまいます。できればひっそりと僕は生きていきたいタイプなので……目立たないように精一杯頑張ります」と外見からは想像できない控えめな意気込みを語った。

 対する吉野は「77kgに合わせてくれてありがとうございます。僕がやることは今まで通り倒すだけ。タイトルを持っている人に思いっきり噛み付いていきたい」と格上狩りに自信満々。

 前回の竜矢戦が判定決着となったことについては「勝ちたい欲が強く出てしまいました。もうちょっと柔らかく試合を見ていればKOできたところもありました。試合を振り返ると、つまらない試合をしてしまったと思います。そういう試合をしていると今後呼ばれなくなる危機感を感じました。小泉選手は倒し合いたいと言っていたので思いっきり殴り合えれば」とニヤリ。

 小泉戦に向けては「身長もあって腕も足も長い。懐に飛び込んで手数を出していくことが勝ちにつながるのかなと。思いっきりパワーで殴っていくところもしっかり見せていきたい」とした。

■女子48.0kg契約 2分3R・延長1R BLACKルール
山上都乃(WSRフェアテックス湖北)vs山本ユノカ(KICK BOX)



 山上は2戦2勝の19歳。一方、山本はかつてプロボクサーとして活躍し、WBA世界女子ライトミニマム級、OPBF女子東洋太平洋フライ級の2つのタイトルを獲得しプロボクシング戦績は13戦9勝(6KO)2敗2分の好成績を残して引退。キック転向後は4戦2勝1敗1分の戦績を持つ。

 会見に出席した山上は「今回の相手は元ボクシング世界チャンピオンということでとても緊張していますが、パンチでも打ち合いができたらいいなと思います。もちろん蹴りも使いながらパンチでもしっかり対応できるように頑張ります」と意気込みを語る。

 格上の選手とのオファーが来た時の心境を聞かれると「ここで勝ったら私もベルトに近づけると思ったので、怖いという印象はありませんでした。今は相手の映像を見て研究してタイ人の先生と話し合いながらこれから作戦を練っていきたい」と特に問題視していない様子。

 自身のパンチについては「威力的には負ける自信はありませんが、技術面では凄く劣っていると思うので残り1カ月ちょっとで仕上げていきたい。自分は少し大振りのパンチなので、気をつけてやっていきます」という。

 8月の木幡紀帆戦では僅差の判定勝利となり、「前回の試合は対策ができていなかったので、今回はより対策をしてしっかり勝てるように頑張ります」と意気込みを語った。なお、山本は所用のため欠席。

■その他のカード



 会見の最後に、宮田Pより以下の2カードが発表された。

 ・61.0kg契約 3分3R BLACKルール
 柴崎“ワンパンマン”亮(team AKATSUKI)vs斧田雅寛(KIBAマーシャルアーツクラブ)

 ・53.5kg契約 3分3R BLACKルール
 宮下友樹(team AKATSUKI)vs山岡由忠(クロスポイント大泉)

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