「猪突猛進娘」MISAKIインタビュー

インタビュー

公開日:2020/7/31

取材・撮影 茂田浩司

「猪突猛進娘」MISAKI、
負け組の意地、叩き上げのプライド
「キラキラしたぱんちゃん選手に勝って、
REBELSのベルトも、ファンも、根こそぎ持っていきます!」



 小柄な体を目いっぱい使って、どんなに強い相手にも一歩も退かず、前へ、前へと攻めていく「猪突猛進娘」MISAKI。
 明るく、元気で、パワフルな現在のMISAKIからは想像もつかないが「子供の頃はゲーム好きの引きこもり。ずっと負け組でした」という。

「何にも出来ない子で、出来ないことから逃げてました。勉強は出来ない、やらない。運動出来ない、やらない。得意なことない、やらない。ゲーム好きの引きこもりで『負け組』でした(苦笑)。だから、華々しいぱんちゃん璃奈選手をデビュー戦から見てて、余計に『うらやましいな、悔しいな』っていう気持ちはありましたね」

 父親の山村教文TEAM FOREST代表は、現役時代にシュートボクシングで活躍。その影響で、MISAKIは子供の頃に空手を経験し、17歳の時にアマチュア大会に出場したが、格闘技に対してそこまで熱心ではなかった。
 転機となったのが18歳。教師を志して4年制大学に通っていた時に心身のバランスを崩して入院。大学も1年で中退した。

「外ではニコニコしてたので『明るい子だね』と言われていたんですけど、心の中に闇を隠してました。ある時、何かが上手くいかない、格闘技が上手くいかない、友達と上手くいかない、本当にたまたま、いろんなことが重なってしまって鬱のようになって入院したんです」

 入院中、他の入院患者と会話をするうちに、自分にとって格闘技がいかに大事なものかに気づいた。

「『目標が何もない』っていう子ばかりで、私のようにシュートボクシングで活躍してるRENAちゃんが大好きで、格闘技をやっててチャンピオンになりたい、って目標を持ってる子がいなかったんです。その時に、私は格闘技にめちゃめちゃ助けられてきたんだって気づきました」

 退院後に大学を中退して、正社員として1年間働いてお金を貯めて、栄養士の資格を取るために短期大学に入り直した。
 勉強の傍ら、ますます格闘技にのめり込んで才能を開花。「20歳までにプロデビュー。ランキングに入りたい。チャンピオンになりたい」と立てた目標を次々と達成していくと、気づけば日本のトップ選手に成長していた。

 これまで、MISAKIは18歳の頃の入院経験を人に話してこなかったが、今は「同じような辛い思いをしている子の参考になれば」と自ら話すようにしている。

「養護施設を訪問した時、昔の私と同じように悩みを抱えてる子に会ったんです。そういう時は自分の経験を話して、必ずミットを持って行くので蹴ったり殴ったりを体験して貰います。『私は格闘技だったけど、お金が欲しいでもギャンブルに勝ちたいでも何でもいいから、何か目標があると変わるよ』って話しています」

 MISAKIは、RENAの背中を見て「プロ格闘家」に夢を描いたように、自分が頑張っている姿を見て「私も頑張ろう」と思ってくれる子が現れることを願っている。

「RENAちゃんも『昔は引きこもりだった』と自分の体験を公表して、話していますけど、そういう子が爆発すると強いんですよね。だから、今、悩んでいる子には『何かをやってみた方が絶対にいいよ』っていうことを伝えていきたいです」




 8月30日、REBELS.65(東京・後楽園ホール)でのREBELS-BLACK(ヒジなし)女子46kg級初代王座決定戦が近づいてきた。

 対戦相手は、注目の「美女キックボクサー」ぱんちゃん璃奈。これまでも記者会見や試合の記事がたびたびYahoo!ニュースに取り上げられてきたが、7月13日の「REBELS.65」記者会見の様子は「格闘家、ムキムキでワンピース」と題する記事でYahoo!のトップを飾った。

 ぱんちゃんとMISAKIが並んだ写真には「身長、体格が全然違う」「(筋骨隆々のぱんちゃんと比べて)パワーの差もあるんじゃないか」というコメントが多数寄せられた。
 だが、MISAKIはこう言い切った。

「自信はあります。ぱんちゃんはあれだけ知名度があって、ただのプロ7戦目の子とやるよりも、ありがたいし、オイシイって思ってます(笑)」

 MISAKIの自信は、プロで21戦を経験して体に刻み込んできたキャリアによるものだ。

「デビューした頃、会長に『お前は地方の選手だから、階級も相手も選んどれん』って言われて、ずっと試合を選ばずにオファーを受けてきました。『なんで勝てない試合を持ってくるの!』と思ったこともあります(苦笑)。普段48キロくらいで減量がほとんどないので、最短で試合4日前のオファーを受けたり、一番重い階級だと52キロ契約で、私は計量で4キロアンダー。相手は172センチの選手でした(苦笑)。試合は本戦の5Rでは決着がつかなくて、延長2Rまで戦って判定負けでした」

 シュートボクシングの決着がつくまで延長を繰り返す「無制限延長ラウンド」という過酷なルールにより、MISAKIは1階級上の選手を相手に計7Rを戦い抜いたのだ。そんな経験があるから、ぱんちゃんと並んだ時に「大きい感じはしなかった」という。

「身長差は気にならないですし、パワーも、私はGirls S-cupの世界トーナメントでイシス・バービックやイリアーナ・バレンティーナ(*RENAに連敗も、小林愛三やMIOに勝利した強豪)とやっているおかげで、怖さはないです」

 昨年のGirls S-cupでは、シュートボクシング女子ミニマム級王座決定トーナメントの決勝戦で女神に2RTKO負け。全治4か月の重傷を負った上に、コロナの影響もあって今回は実に1年ぶりの試合。そのことも「プラスになった」とMISAKI。

「女神選手との試合では、開始1分で首投げを狙った時に太ももが前を向いたまま、体が後ろを向いて『バリバリバリ!』と凄い音がしてハムストリングスを3本切ってしまいました。整骨院に行ったら『失神したでしょ?』と聞かれて、いえ、そのまま試合しましたって言ったら驚いてました(笑)。2Rに『このままだと持たない。倒さないと!』と思って、ブンブンパンチで行ったら踏ん張れなくて転倒してしまいましたけど(苦笑)。
 この1年間のブランクの間に出稽古に行ったり、ボクシングトレーナーさんに教わったり。技術的にちょっと進化は見せられるんじゃないかって思ってるんですけど……」

 MISAKIは、自らの「猪突猛進スタイル」をやめるつもりはない、という。

「女子は、上手い選手が多いですよね。平岡(琴)選手、紅絹選手、寺山(日葵)選手もめちゃくちゃ上手いです。子供の頃から格闘技を頑張ってきた人に技術で勝とうなんて、そんなバカなっていう感じで(笑)。
 それに、私は地方の選手なので、体を張らなければ使って貰えないと思ってます。格闘技をよく知らない人が見ても『MISAKIの試合は面白い!』と思う試合をして『地方の選手だけどぜひ使いたい』と思って貰えないと次のチャンスは貰えない、って思ってますから。
 今回は絶対に逃せない試合です。REBELSさんに定期参戦したいですし、後楽園ホールはぱんちゃんファンで一杯だと思いますけどそれも悔しいので。いつもの『猪突猛進スタイル』で体を張って頑張って戦うので、ぜひ楽しみにしててください。『REBELS女子はぱんちゃん』を覆して、勝ってREBELSのベルトを巻いて、ぱんちゃんのファンも私が根こそぎ持っていきます! チケットは完売してしまったんですけど、生中継があるのでぜひリモートでの応援をよろしくお願いします!」

プロフィール
MISAKI
1996年2月2日、愛知県豊橋市出身。24歳。
TEAM FOREST所属。
16年にプロデビュー。17年、J-Girlsミニフライ級王座獲得。18年、Girls S-cup世界トーナメントベスト4。19年、シュートボクシング女子日本ミニマム級王座決定トーナメント準優勝。戦績21戦14勝(2KO)6敗1分。身長156cm。

ピラオ・サンタナ公開練習・インタビュー

インタビュー

公開日:2020/2/27

取材・撮影 茂田浩司

 2月27日、東京・秋葉原のPHOENIXstudioにて、ピラオ・サンタナ(ブラジル)が公開練習をおこなった。
 サンタナは「REBELS.64」(2月29日、後楽園ホール)のメインイベントで、鈴木宙樹(すずき・ひろき)の持つREBELS-BLACK(ヒジなし)60kg級タイトルマッチに挑戦する。
 前日に来日したサンタナは、移動の疲れも見せず、帯同するルーカストレーナーのミットに力強いパンチやキックを打ち込んだ。身長160cmのサンタナに対して、王者の鈴木宙樹は175cm。15cmもの身長差やリーチの差を意識してなのか、長身のルーカストレーナーを相手に遠目からキックで牽制し、一気に踏み込んでパンチを打ち込む動きをメディアに披露。しっかりと体が絞れており、軽快な動きで好調さをアピール。適正階級の60kgで持ち前の強打を爆発させそうだ。
 ミット打ちを終えた後、メディアのインタビューに応じた。






  ――試合まであと2日、現在のコンディションはいかがでしょうか。
「この試合のためにとても良いコンディションを作ってきた。戦うための準備はしっかりと出来ているので、早く戦いたいね。試合当日は100%のコンディションでリングに上がるよ」

――対戦相手の鈴木宙樹選手の試合映像は見ましたか?
「イエス。何試合か見たよ。ヒロキはとても良い選手だ。印象としては『タフガイ』だね。だけど、私は彼に勝つための準備をしっかりとしてきたから問題はないよ」

――宙樹選手について、特に注意しているポイントはどこでしょう?
「うーん、いいヒザ蹴りを持っているよね。そこは十分に気をつけたいと思っている。あと、危険だと思うのは右のパンチ。ただ、一番警戒しているのはヒザだ」

――そのヒザと右のパンチに対して、どんな作戦を考えてきましたか?
ルーカストレーナー「ブラジリアンキックさ(笑)」
「(笑)もちろん、しっかりとした戦略を練ってきたよ。私はいつも試合には必ずしっかりとした戦略を持って戦うんだ。ただ、ここで詳しいことは明かすわけにはいかないな。ぜひ試合を楽しみにしてほしい(ニヤリ)」

――あなたはこれまでの日本の試合で豪快なパンチを見せてきましたね。今回の試合では、そのパンチでKOする自信はありますか?
「私を応援してくれる日本のファンは、ビッグパンチによるKOを期待しているだろうね(笑)。だけど、ヒロキはタフガイ、タフなファイターなんだ。だから、私は戦略通りに戦い、KOだろうが、判定だろうが、一番大事なことは勝って、REBELSのベルトを奪うことだと思っているよ」

――ルーカストレーナーは、今回の試合はどうなると思っていますか?
ルーカストレーナー「ヒロキはいい選手だと思うが、この試合はサンタナが勝つ。なぜなら、ヒロキはこれまで様々な日本人選手と戦い、勝ってきたようだけど、キックボクシングにはいろんなやり方があるんだ。そのことをヒロキはこの試合で知るだろうね(ニヤリ)」
「1つ、聞きたいんだけど、今回は何ラウンドだっけ?」

――今回は3分3ラウンド、延長1ラウンドですよ。
「わお!(ニッコリ) そうか、ずっと5ラウンドなんだと勘違いしていたよ。3ラウンドなら得意だ。思いっきり暴れられるよ(笑)」

――最後に、サンタナ選手からメッセージを。
「今回はビッグファイトだ。必ず良い試合、とても良い大会になるだろう。ぜひ後楽園ホールに見に来てほしいね」

「リトルサイボーグ」タネヨシホインタビュー

インタビュー

公開日:2020/2/25

取材・撮影 茂田浩司
撮影(コスチューム) 阪本勇

「あの時は、打ち合う以外に出来なかった」
復帰したタネヨシホが明かす
<リトルサイボーグ>という「虚像」と、
REBELS55.5kgでの復活



 2月29日(土)、東京・後楽園ホール「REBELS.64」からREBELS-RED(ヒジあり)55.5kg王座決定トーナメントが開幕する。
 小笠原瑛作、壱(いっせい)・センチャイジム、KING強介ら、ベルト保持者や王者クラスが集結する中、俄然、注目を集めているのが「リトルサイボーグ」タネヨシホの参戦だ。
 2018年、KNOCKOUT(ノックアウト)での大崎兄弟(一貴、孔稀)との激闘で一躍、その名を知らしめただけに、今回は55.5kgに階級を上げてのREBELS初参戦。
「また激闘を見せて、REBELSのベルトを獲ってやる!」
 そんな威勢のいい言葉が飛び出すのではないかと思っていたのだが……。

「激闘? あの時は『足を止めて打ち合う』しかできなかったんです」
「『打ち合いでお客を楽しませる』なんてしんどいです。『こういう試合をしなあかん』とか、もう変にとらわれたくないんです」

 タネヨシホに一体、何があったのか……。






 タネヨシホ(本名、多根嘉帆)は、学校が苦手な子供だった。
「小2から小6まで、ほとんど学校に行ってなかったです。いじめ? それがまったくないんです。学校が苦手で、純粋に不登校です(笑)」

 見かねた父親が、タネを空手道場に通わせた。
「多分、学校に行ってないんで『やることないんやったらいっとけよ』って道場に入れさしたんです」
 小学3年から道場に通い始め、小4からアマチュアの試合に出始めると、タネの格闘技の才能は開花し、数々の大会で活躍する。
 ただ、元々の性格は変わらなかった。

「めちゃめちゃおとなしい性格です(笑)。喧嘩はしたことがないんですよ。素手で人を殴ったことがないです。僕の普段の生活を知ってたら『本当に格闘技をやってるの?』と思われるくらいにおとなしいですよ(笑)」

 タネヨシキ・ヨシホ兄弟を知る関係者は言う。
「兄貴のヨシキとは正反対で、ヨシホは本当におとなしいです。前のKNOCKOUTではイケイケな感じで作られていたけど、あれは兄貴の方ですね(笑)」

 16歳でプロデビューすると、持ち前の才能を発揮してすぐに頭角を現した。
 DEEP KICK53kg初代王座決定トーナメント、1回戦で政所仁、準決勝で玖村将史を破り、決勝戦で松岡宏宜を1RTKOで破ってデビューわずか1年、17歳にして初戴冠を果たす。
 ただし、この時は53kg。WBCムエタイ日本統一王座を獲得し、KNOCKOUTに参戦した時は「51kg」のフライ級だった。

 フライ級に落としたことで、まだ成長期だったタネはすさまじい「減量苦」に直面する。
 通常体重はすでに61~62kgに達しており、試合までに10kg以上の減量をしなくてはならなかった。軽量級選手の「毎回10kg以上の減量」は厳しい。

 タネは、毎回、大量の水抜きをして体内の水分を絞りつくし、なんとか計量をクリア。だが、絶食と極度の脱水で疲弊した体が1日で元に戻るはずもなく、いつもコンディション不良のままで試合に臨んでいた。

「他の人の話を聞いたら、俺なんかプロじゃないですもん。ひどかったです」

 皮肉にも、コンディションの悪さゆえにタネは「激闘派」として名を上げてしまう。しかしながら「KNOCKOUTの激闘派、タネヨシホ」は、本来のタネとはまったく違う戦い方だった。

「会長にずっと教わってきたのは『打たれないで打つ』なんです(苦笑)。だけど、試合の時はいつも体が重くて、足でしっかりと踏ん張れてないのにパンチを思いっきり振るからよくコケてましたし、すぐに疲れてしまった。
 それで『激闘派』と煽られて、気にはしてないつもりだったんですけど、刷り込みみたいな感じで『こうしなあかんやろ』的なものはあったッスね。そんなんで気持ちが揺らぐ時点で、僕が弱いというだけなんですけど」

 「タネヨシホ」の名前を一躍、キック界に轟かせた大崎兄弟との激闘も「8割、試合をあきらめていた」という。

「しんどいし、疲れ切ってて、5R目は『これで無理やったら倒れよう』と思ってました。3分なんてもたへんのは分かってたから『30秒間ラッシュして、無理やったらあきらめよう』と。そうしたら、たまたま10何秒で相手(大崎孔稀)がへばって倒れてくれた、というだけです。最強に『開き直り』ですね……」

 だが、綱渡り状態でなんとかクリアしてきた減量も、限界を遥かに越えていた。最近、KNOCKOUTの「無法島GPインタビュー」で鈴木千裕が明かした「計量オーバー」のケースと、タネはほぼ同じ軌跡を辿っていた。
 度重なる「減量ストレス」により、減量期間から解放されるとその反動で食べてしまう。その結果、通常体重は増えて、試合までの減量幅はますます増えていく。

 傍からは「階級を上げればいい」と思うが、その決断が難しい。オファーが来るのはフライ級での試合なのだ。
「フライ級の試合は毎回減量でしんどい思いをしましたけど『今回も何とかなったから、まあいけるか』と思ってしまったんです」

 昨年4月、タネヨシホは石井一成とのタイトルマッチで規定の体重をクリアできず、試合は不成立となった。
 対戦相手や主催者に謝罪し、SNSでは格闘技ファンに「プロ失格」と罵られたが、それだけでは済まない。タネヨシホもまた、計量オーバーのペナルティで多額の借金を背負った。

「契約書にサインしたら、自分の責任ですから……」

 そう言って、タネは口をつぐんだ。ただ、こう付け加えた。

「きっと、ひそかに減量で苦しんでる選手はたくさんいると思います。プロで試合してて、突然辞めてしまう選手がいますよね。あの中には『減量のしんどさ』で辞める人も結構いるんちゃうんかな、って思いますね」

 昨年11月、借金の返済が終わり、ようやく日常生活が戻ってきて練習を再開した時に「1月、BORDERでの復帰戦」が決まり、さらに「REBELS55.5kg級初代王座決定トーナメント」のオファーが来た。

 タネは、今年1月19日「BORDER」で復帰。イ・ジェオク(韓国)に判定勝利を収めた。
「ひと言でいうと『めっちゃ疲れた』です(笑)。ボディで2回ダウンを取って判定勝ちしましたけど、久しぶりで緊張してて疲れました」

 初めて55kgで試合をして、タネは確かな手応えを掴んでいた。
「減量が少なくて、体調も良くて。やっぱり『精神的な負担』が全然違うんですよ。今は普段61とか62kgで、計量の1週間前であと4kgですから。最後に1kgだけ水抜きをするので、1週間で3kg落とせばいい。これなら、練習して、少し食事を抑えたら大丈夫です。フライ級の時の『今から10kg』とは全然違います」

 いよいよ、東京での1年2か月ぶりの試合、KING強介戦を迎える。

「どんな試合かを言うのは難しいですね。相手との相性があるのでやってみないと分からないです。ただ、お互いにパンチ力があるので、どっちかが先に当てて、どっちかが倒れると思ってますね。
 出稽古に行くと、みんなに『REBELSのトーナメントはレベルが高いね』と言われます。確かにみんな強いですけど、僕はそこまでレベルの差があるとは思わないんで、ボコボコにされることはないと思ってます。僕が一番若くて、経験も少ないでしょうけど、実際に試合してみないと分からないです。
 今、練習が楽しいです(笑)。生活の中に格闘技がないと物足りないんですよね。
 ただ『打ち合いでお客を楽しませる』とかはもうしんどいです(苦笑)。なるべく貰いたくないですし、自分が『楽しい』と思えたらええかな、って。もしかしたら思いっきりアウトボクシングして『何が悪いんや! しんどいわ! 自分でやってみろ!』ってREBELSのお客さんに叫んでしまうかもしれないです(笑)」

 果たして、どんな「タネヨシホ」が見られるのか。2月29日の「REBELS.64」,KING強介対タネヨシホに注目したい。

プロフィール
タネヨシホ(本名、多根嘉帆)
1999年10月2日、20歳。大阪府出身。
身長:165cm。小3から道場に通い始め、小4からジュニアで試合に出場。アマチュアでは57戦42勝(7KO)7敗8分の好成績を残す。
2015年11月にプロデビュー。2016年11月、DEEP KICK53kg級王座を獲得。2018年2月、能登龍也に勝ってWBCムエタイ日本統一フライ級王座獲得。同年10月に大崎一貴に5RTKO負けをし、同年12月に大崎孔稀に5RTKO勝ち。この大崎兄弟との激闘で「激闘派タネヨシホ」の名をキック界に知らしめた。
2019年4月、KNOCKOUTでの石井一成戦で2.4kgオーバーの体重超過と体調不良で試合中止。
兄は同じキックボクサーのタネヨシキ。
戦績:17戦13勝(6KO)3敗1分。

鈴木宙樹、白幡裕星、工藤“red”玲央、津崎善郎インタビュー

インタビュー

公開日:2020/2/18

取材・撮影 茂田浩司

2月29日(土)、東京・後楽園ホールで開催される「REBELS.64」の出場選手が2月1日、クロスポイント吉祥寺でおこなわれた公開練習に参加。
 鈴木宙樹が鈴木千裕との兄弟スパー、白幡と工藤、津崎と喜入衆(NEXT LEVEL 渋谷)でマススパーリングを披露した後、試合に向けた意気込みを語った。






 鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺所属。REBELS-BLACK(ひじなし)60kg級王者)
 メインイベントで、REBELS-BLACK60kg級王座防衛戦をおこなう。挑戦者は「ブラジリアン・タイフーン」ピラオ・サンタナ(チームサンタナ)。

「拳の状態は7割だけど問題なし。パワーでもテクニックも負けてない。メインらしく、しっかりサンタナ選手をKOする」



 「半年ぶりの復帰戦になるんですけど、半年間しっかり練習してレベルアップしたつもりなんで僕は。それをみなさんに見て貰おうと思うんで。そこに注目して貰いたいですね。  サンタナ選手はパワーがあって、意外にもテクニシャンなところもあるんですけど。でも僕はパワーでも負けていないですし、テクニックもまったく負けてないと思うんで。メインらしく、しっかりサンタナ選手をKOして興行を締めたいと思います」
――メインでこういうところを見せたい、というのは?
「ここだとやってくれる選手がいないので、他のジムでやっているんですけど、ボクシングスパーは結構やっていますね」

――半年間のブランクは拳の故障でしたが、現在の拳の状態は?
「7割ぐらいの状態から良くならなくて、痛いんですけど、それは今回の試合でどれぐらい治ったかを確認したいのもあるんで。拳はあまり気にしてないですね」

――「7割」の段階で大丈夫ですか?
「まだ100の力で打つと結構響くんですけど、しっかりとバンテージを巻けば痛みは軽くなるので。試合ではバンテージをガチガチに巻いて殴れると思うんで」

――サンタナのぶん回し系のパンチの対応は?
「あまりブンブン振ってくる相手と戦ったことがないのであまりイメージが出来ないんですけど、いろいろと振ってくる相手との対策は練ってるのでそれをしっかりやっていこうと思ってますね。サンタナ選手はいろいろと動きのクセがあって、それをしっかり見て、合わせて倒してやろうかな、と思ってます」

――後ろ廻し蹴りもありますけど。
「後ろ廻し蹴りをやる前も結構、前兆みたいのがあるんで。そういうのを見ながら、そこにカウンターを合わす練習もしてるんで。そこも見て貰いたいですね」





 白幡裕星(橋本道場所属。MuaythaiOpenスーパーフライ級王者)  セミファイナルでREBELSスーパーフライ級王者・老沼隆斗と王者対決。

「REBELSスーパーフライ級のベルトは安本晴翔先輩が巻いていたベルト。今回はノンタイトル戦だけど、絶対に負けられない」



「王者対決と言われることが多いんですけど、僕の中で絶対負けられないな、と思ってる理由が1つありまして。REBELSスーパーフライ級のベルトは、僕の先輩の安本晴翔先輩が巻いていたベルトなので。今回はノンタイトル戦ですけど、絶対に勝って、いい試合をしたいと思います」
――「老沼対策」は?
「僕の中でカギになる技はあるんで、それを今、練習でやってます」

――警戒してるところは?
「警戒してるところ……、えっと、蹴り技ですかね」

――今、17歳で高校2年生ですか?
「いえ、高校には行ってなくて、格闘技一本でやってます」

――今年、達成したい目標は?
「今年は、スーパーフライ級で僕が一番強いと言われるぐらいになりたいです」

――現時点で老沼選手に勝つ自信は?
「100%です」

――決着はKO?
「そうですね、僕の戦績にまだKOがないので、今年はKOできたらいいなと思ってます」

――橋本道場では主にどの先輩に鍛えられてますか?
「晴翔先輩を含め、いろんな先輩に鍛えられてます」

――安本選手に前蹴りで吹っ飛ばされてる動画を見ましたがあれは白幡選手?(「安本晴翔被害者の会」と題して橋本師範がSNSにアップ)
「はい、そうです(笑)」

――あれは……後輩への愛情?
「ちょっと分からないです、愛情だと信じてます(笑)」

――日頃から安本選手とスパーリングしてると、自信を持って試合に臨めますか?
「でも結構、やられるので。逆に自信を無くしたりもします」





 工藤“red”玲央(teamTEPPEN所属)  今大会から始まる「REBELS-RED(ヒジありルール)53.5kg級王座決定リーグ」に参戦。今回は響波(Y‘glow)と対戦。

「僕はベルトを獲らないといけない男。『REDルール』って僕のルールみたいなもんだから」



「リーグ戦にかける思いは僕が一番強くて、必ずチャンピオンになって今年を締めるんで、応援よろしくお願いします。  対戦相手は背がデカいっていうのと。全然面識はないんですけど、僕が出てる大会にかぶってて。でも階級が下だったんでやることはないなと思ってたんですけど。まあ(階級を)上げてきて、次にやるんですけど、全然問題ないです。圧倒して勝ちます」
――なぜ「一番強い」と言い切れるんですか?
「僕が出ないと多分、盛り上がらないですね。メンツを見ても。そういう風に思ってます。てかそうです」

――ベルトへの思いも強いですよね。
「そうです、はい」

――そこを語っていただいて。
「ベルトへの思い? 僕は、ベルトを獲らないといけない男なので。獲って辞める、獲って締めると決めてるんで。それはプロデビューした時から、いろんな人と約束もしてるんで。だから、リーグ戦という凄いチャンスをいただいて。それに『REDルール』って僕のルールみたいなもんだから(笑)。だからまあ、僕がそのベルトを巻きます」

――前回の試合からどうレベルアップしてますか?
「体のキレと、全体的にレベルが上がってて。練習に対する姿勢だったり、上がってるんで。実際、試合をやらないと『どこが上がってる』とか分からないですけど、それは見ていただいたら分かるんで。まあ、テクニックは以前より上手くなってる」

――KOします?
「はい。あ、TKOかもしれない(笑)」

――ヒジの調子もいいですか?
「はい、別になんでも。(相手の)背が大きいんで、無理やりヒジを振っても当たらないじゃないですか。それはしっかり考えて、対策してます」

――1月にタイのペッティンディージムに行ってましたが、練習の成果は?
「一番は、自分の取り組んでる姿勢がそこに行ったことによって、まだまだなんだな、って知って。さらに練習に対する姿勢だったり気持ちの作り方だったりを学んだなって感じで。練習自体は1日2、3時間で決まってたんで。朝5時に起きて15キロ走るとか、精神的に鍛えられて。帰ってから、練習の取り組み方が変わりました」





 津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)  元新日本キックミドル級王者、喜多村誠(伊原道場新潟支部)と対戦。

「喜多村選手はすべてにおいて格上で、2年前のスパーではボコボコにされた。でも僕もその時より強くなってるので、思い切りぶち当たって倒すつもり」



「昨年のタイトルマッチからの復帰戦で、新年1発目ということもあって負けれないな、と。勝ちを獲りに行きたいと思ってます。  喜多村選手、すべてにおいて僕より格上の選手。正直、不安もありますが、こんな強い選手とやれるチャンスもなかなかないので楽しみの方が大きいです。胸を借りるつもりで、思い切りぶち当たりたいと思ってます。」
――昨年のタイトルマッチは大流血戦でしたが、懸命に戦う姿に「感動した」という声も多かった。反響は?
「『いい試合だった』とたくさんの人に言って貰えて。自分自身、出し切ったところもあったので満足はしていたんですけど、日が経つにつれて負けた悔しさも出てきて。もう1回挑戦したいな、という今はそんな気持ちです」

――今回の喜多村選手は元新日本キック王者。もう一段、高いレベルへの挑戦に。
「実は2年ぐらい前に、喜多村選手とスパーリングをしたことがありまして。その時に、ホントにボコボコにされて(苦笑)。こんなに強い人がいるんだな、と思ったんですけど、その時よりは自分も強くなってますし、今回は倒すつもりで」

――石毛会長からはどんな指示が?
「それは秘密なんですけど、現役ラジャチャンピオンの石毛会長からもう指示はいただいてます」

――自分自身でレベルアップをしたところは?
「前回もそうだったんですけど、僕はパンチがあまり上手じゃなくて、今、ボクシングテクニックをちょっとずつ、頑張って練習してます。教えてくださる方がいるので。あと、瞬発系の走り込みの量も増やしました」

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