佐野貴信選手、浜本'キャット'雄大選手/直前インタビュー

インタビュー

公開日:2015/04/08

2015年4月19日(日)にディファ有明で行われます「WPMF JAPAN × REBELS.35」にて、スーパーバンタム級3分3回戦を行います、佐野貴信選手と浜本'キャット'雄大選手のインタビューを公開させていただきます。

会場にタイのプロモーターが来るなら、僕の左ミドルの切れ味を見てほしい

『REBELS.34×WPMF JAPAN』に引き続き、合同興行に参戦することになった佐野貴信(創心會)。20歳の若武者は猫殺しに自信満々だ。
聞き手:布施 鋼治

──3.4「REBELS.34×WPMF JAPAN」では格上の炎出丸選手から判定勝利を奪いました。
手応えは?

佐野 3Rは首相撲で完全にやられたかなと思います。
炎出丸選手の組みはやっぱり強かった。
こういう組み方もあるんだと勉強になりました。

──首相撲には首相撲で対抗しようとは思わなかった?

佐野 セコンドからは「離せ」という指示が飛んでいたけど、3Rは疲れていたので無理でした。
教えてもらったことの半分も出せなかった感じがします。
でも、1~2Rは結構イメージ通りに動けた。
自分の打撃が通用することがわかったので、そのへんは自信につながりました。

──ムエタイルールの試合は4か月ぶりですよね。
どうでした?

佐野 練習では(ムエタイにも)対応できる練習をしているので問題はなかったですね。

──普段はムエタイとヒジなしを区分けしないで練習している?

佐野 あっ、普段ヒジはやらないようにしているけど、ほかは変わらない。

──4月19日には再びREBELSのリングに上がることになりました。

佐野(炎出丸選手に勝っているので)話は来ると想像していました。
ただ、こんなに早く来るとは思っていなかったです(苦笑)。
でも、これはチャンスですよね。

──浜本'キャット'雄大選手の印象は?

佐野 見て感じるものがありました。
組みはうまいし、炎出丸選手と闘う時より警戒している部分はあります。

──具体的にいうと?

佐野 僕よりちょい上だけど、若いじゃないですか。
それに勢いもあると思うので。

──どんな試合をイメージする?

佐野 倒す試合がベストですね。
自分の距離で闘えるように練習しています。
この間の試合では教えてもらったことの半分も出せなかったので、今回は少なくとも半分以上は出したい。

──どちらのルールでも闘っているけど、現時点ではどちらの方が合っていると思いますか?

佐野 もともとキックボクシングってヒジあり組みありじゃないですか。
僕はずっとその流れの中で練習してきています。
結局ヒジなし系でなければ、ムエタイ系でもない。
僕はキックボクシングの選手として育てられているんですよ。
なので、ヒジ&ヒザありのルールはやっぱりやりやすかったですね。

──前回初めて上がったREBELSというプロモーションの感想は?

佐野 どこの団体でもリングの雰囲気はそんなに変わらないと思います。
REBELSは結構選手を魅せるところが多いじゃないですか。
そういう面では一番上がりやすかったかなぁ。

──今回はビッグマッチが並んでいます。
その中で自分の試合を目立たせる自信は?

佐野 左ミドルには自信があります(キッパリ)。
タイから現地のプロモーターが来るなら、ぜひとも僕の左ミドルの切れ味を観てもらいたい。
将来的にはルンピニースタジアムやラジャダムナンスタジアムで闘うことにも興味があるので。

──キャット選手もミドルキックが得意なので、壮絶なミドル合戦になりそうですね。
キャット選手のミドルとの違いを言葉で表現したら?

佐野 試合を見ればわかると思いますよ。
先月、炎出丸選手と闘う前日クロスポイントで計量した時に「こんなきれいで設備が整っているジムでやっている選手には絶対負けるわけにはいかない」と思ったんですよ。
→※佐野選手が所属する創心会のREBELS-TV https://www.youtube.com/watch?v=ERxsLBhJ96U ※16分20秒から
潰される気も倒される気も逃げる気もありません。
やるだけです。

──気合が入っていますね。
自分の試合が終わったら、ルンピニーの二大タイトルマッチを観戦する?

佐野 観たいですね。
中でも一戸総太選手にはすごく興味があります。
たぶんキックルールでは(日本の55kg級の中で)一番強いんじゃないですか。

──どのくらい練習したら超えられそう?

佐野 う~ん、一戸選手のハードルは結構高いですよ。
全ては自分次第だと思うけど、そこまでに闘いたい選手もいるし、強い選手もいっぱいいるので、目の前に立ちはだかる相手をひとりずつしっかり倒していきたいですね。

プロフィール
佐野 貴信(さの たかのぶ)
所  属:創心会
生年月日:1994年12月10日
出  身:神奈川県大和市
身  長:173cm
通算戦績:6戦5勝(2KO)1敗 ※取材当時

キックを続けるために転職しました。後悔しないためにも100%結果を出さないといけない

4月19日、先月炎出丸を下したばかりの佐野貴信(創心會)と闘うことになった浜本'キャット'雄大(クロスポイント吉祥寺)。
まだ世間には知られていない存在ながら、地道にキャリアを積み上げてきた実力派だ。
佐野との一戦をジムの先輩である炎出丸の敵討ちといってはばからないキャットは声を大にして「これは戦争だ」と叫んだ。
聞き手:布施 鋼治

──佐野貴信選手との一戦のオファーを受けた時の心境は?

キャット もともと炎出丸先輩と佐野選手の試合を見た時に先輩が勝ったと思ったんですよ。
でも、判定は負け。
それで悔しい気持ちになったので、試合直後先輩に「僕は勝ったと思います」と言い張ったんですよ。
そうしたら「お前は試合をしないの?」と逆にふられた。
それで「やりたいです。佐野選手とやりたいです」と返したら、先輩は「いいじゃん、やりなよ」って言ってくれたんですよ。
それからツイッターで「ヒデさんの敵討ちをしたい」と呟いたら結構な反響がありました。

──3月4日から敵討ちのドラマはスタートしていたんですね。
初めて世に浜本'キャット'雄大を問う一戦になりそうですね。

キャット そうですね。
今までの僕は下積みの試合が多かったので。
いまスーパーフェザーでやっている鷲尾亮次選手やKrushに出ている藤橋光選手とは引き分けています。
昨年12月にチャンピオンになった清川祐弥選手とも競った試合をしたし、今度復帰するキム・ギフン選手には勝っています。
結構実力者と闘っていると思うけど、キャットといっても身内しか知らない感じであったかなと。

──そもそもキックをやるきっかけは?

キャット もともと僕は身体が小さかったので、プロレスを観るのが大好きだったんですよ。
新日本、ノア、全日本は全部テレビで見ていました。
それから(ボクシングの)はじめの一歩も見始めて、格闘技という大きなくくりで観るのも好きになりました。
K-1やPRIDEのブームもありましたからね。
そうした中、明治大学に入ったら、友達が「キックボクシングの部活を見学に行くんだけど、お前はプロレスが好きだから一緒に行かない?」と誘われたんですよ。
それで見学に行った時に「俺は絶対K-1王者になる」と心に誓ったんですよ。
大学1年の初日の出来事でしたね。

──それで学生キックを始めたわけですね。

キャット ハイ。
始めたらすぐ賞をもらえた。
それでアマチュアで続ける意味はあまりないかなと思って、クロスポイント吉祥寺に来たんですよ。

──クロスポイントを選んだ理由は?

キャット 学生キックでは左ミドルが得意で、結構それでKOしていました。
まわりに「日本で一番左ミドルが強い人は誰?」と聞いたら、みんな「山口元気だ」と口を揃えたので、山口さんが代表を務めるジムに入ろうと思ったわけです。
クロスポイントに入ってから、もう5年が経ちました。

──ただ、去年は本業が忙しくて、なかなか試合ができないという話も聞きました。

キャット ハイ、積水ハウスという会社に入っていて、全然試合ができるような状態ではなかったんですよ。
練習だけはして実力をキープするのがやっとの状態でした。
それで去年の11月に(英語の資格試験で知られる)TOEICに転職したんですよ。
面接の時に「キックがやりたいんですけど」と切り出したら、「ウチの会社だったらできますよ」という返事をいただいたので。

──後悔はない?

キャット(キッパリと)ないですね。
給料は下がったけど、やりたいことをやりたいと思ったので。
いまは後悔しないためにも100%結果を出さないといけないという気持ちでやっています。

──'キャット'というニックネームの由来は?

キャット 最初につけてくれたのはトレーナーの入沢(勝)さん。
当時見ていたムエタイのDVDで蹴る時にイーッと鳴く選手の鳴き声を真似していたら、それが「ニャー」と鳴くように聴こえたみたいで(苦笑)。
その場で「ニャーッと鳴くからお前はキャットだ」と命名されました。
最初は困惑していたけど、プロとしてニックネームがつくっていいことじゃないですか。
最近は逆にこれもカッコいいかなと思えるようになりました。

──当面の目標は?

キャット 55kg級で一番強いのは一戸総太選手で二番目は宮元啓介選手。
そして三番目は混沌としていると思う。

──まずは三番手争いに名乗りをあげたと。

キャット ハイ。
佐野選手は単純にいい選手。
今後飛躍していくと思う。
佐野選手に勝ったら、ある程度のレベルまでいけるかなと睨んでいます。

──ミドルを得意とする者同士の闘いになります。
ミドルキック合戦で勝つ自信は?

キャット(キッパリと)単純に威力が違うかなと思います。
この一戦はクロスポイントにとって戦争です。
しっかりと佐野選手を潰しますよ。

プロフィール
浜本'キャット'雄大(はまもと きゃっと ゆうた)
所  属:クロスポイント吉祥寺
生年月日:1990年02月14日
出  身:東京都武蔵野市
身  長:167cm
通算戦績:10戦6勝(2KO)2敗2分 ※取材当時

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